音楽科

教諭 渡辺 景子

Ⅰ はじめに
 第3学年の最後の題材は「和太鼓に親しもう」である。まとめでは、「箏はポーンという余韻が素敵だったが、和太鼓はずしっと重たく響く音がよい」「お囃子の先生も、見せる楽器だとおっしゃっていたが、日本の楽器は姿勢や動きと音が一体となっている」と、そのよさを語る生徒が多かった。箏曲「さくらさくら」の独奏や邦楽囃子を伴っての合奏、「さくらさくら」の主題に合う二重奏の創作を通して学んだことが様々につながっており、自分なりの価値を見いだしていることが感じられた。また、ピアノやギターを演奏した体験やオーケストラの演奏を聴いた経験と比較し、共通点や相違点を述べる姿や、自分から遠いものと捉えていた日本の伝統音楽とどのように関わったらよいかについて意見を交流する場面も見られた。生徒個人の中で、音楽科の3年間の学びがつながり、中学校を卒業した後も広がっていくのだろうと感じた出来事である。

 生活や社会における音や音楽の働き、音楽文化についての関心や理解を深めていくことについて、更なる充実が求められている中、中学校音楽科の学びが生徒個人の中でつながりをもつことや、多様な音や音楽について他者と協働して学び、音楽的な価値観を広げることが重要である。新学習指導要領においても、音楽科において資質・能力を育成する学習過程の在り方について示され、生徒が学んだことを関連づけたり組み合わせたりしながら、習得・活用することが重要とされている。生徒一人一人の学びの過程に着目し、「自律」と「共栄」に向かう学びを実現することで、「自己を拓き、協創する生徒」の姿に迫りたい。

 

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