平成29年度【研究主題の解説】

研究主題

自己を拓き、協創する生徒の育成

-「自律」と「共栄」に向かう学び・学び舎の創造-

 前次研究『「学びの主体者」となる生徒の育成-「問い」を活かす授業の探究-」で進めてきた研究は、自らの思考・判断をもとに、自他に働きかける姿、他者との関わりを通して自分自身を客観的に捉え、自己の成長に向かうことができる姿の具現化を目指した3年間である。それらの姿の実現に向けて、生徒自らが「問い」を生み、その「問い」を解決するために「問う」ことの価値を実感する学び合いの在り方を研究してきた。加えて、真の「学び」の姿とは何か、「学び合い」に大切なことは何かについて、今一度見つめ直す研究としてきた。

 前次研究の主な研究の成果は、粘り強く「学び」に向かう姿勢が見られたり、他者と協同して課題を解決したりする姿が見られたことである。しかし、自己を客観的に捉えたり、特に自信のないことには自らの殻を破って他者に働きかけたりすることには課題が残った。加えて、理想の姿を的確に描いたり、他者との関わりを通して問題を見付けたり、課題を整理したりすることや、解決の方法を的確に選択する等の力については不足するところも多いと捉えている。

 本校生徒の実態は、他者との関わりの必要性の認識はあっても、自ら他者へ働きかけることに弱さがある。適切な計画を立てる前に挑戦することを諦め、困難な課題に立ち向かう意欲や態度に欠けることも多い。新たなものを生み出すことに消極的であり、新たな一歩を他者と協力して踏み出すことも満足できるものではないことから、自他の成長のためには、たくましさを求めていく必要がある。
他者を支援することや集団における役割を果たして貢献することは、一見、満足する場面として受け取れるが、不得意とすることや、新たな人間関係を築いてまで積極的に関わりを求めているというところにまでは到達していない。
 
 文部科学省(国立教育政策研究所)は、「これからは誰もが予想をしづらい変化の著しい社会であることは間違いなく、グローバル化や知識基盤社会の到来により、環境や経済、国際関係など様々な分野において、専門家も答えをもたない複雑な世界規模の問題が、21世紀を生きる一人一人の市民に影響を与える社会である。こうした問題を解決するためには、誰かが答えを出してくれることを待つのではなく、一人一人が知識や考え、知恵を持ち寄り、主体的に最適解を創り出していくことが求められている。」と示している。
つまり、「何を知っているか」だけではなく、それらを使って「何ができるか」「いかにして解決できるか」が問われる時代であり、これらがこれからの社会を築く市民に必要とされ、自らの一歩として求められるのである。
 
 そこで、自らの一歩に必要な「新たな意味、新たな価値、最適解、共有の知」を新たな知として捉え、それを創り築き上げていくことを目指すことが重要であると考えた。
 
 これらの考えのもと、自他の理想の姿を描き、その実現に向けて自ら他者や対象に働きかけ、互いのよさを活かしながら、新たな知を創り築き上げ、自己を更新していくことを目指していくことを「自己を拓き、協創する生徒」の姿とし、求める生徒の姿として設定することとした。
 

研究主任 小路 美和

 

 

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